6:名無しNIPPER[saga]
2017/08/14(月) 17:52:06.78 ID:O2qgAIKjO
そしてある日……彼女の瞳が陰ったのを初めて見た。
油断していたーーと言えば簡単だけど、それは絶望的な状況だった。深層で他国の探窟家に嵌めらたのだ。
白笛とまでなれば恨みなんて幾らでも買う。心当たりは幾らでもあった。
「………あ」
巨大な原生生物がゆっくりと近づいて来た。私を食おうとしているのだ。
死ぬのは不思議と怖くなかった。それは心が捻じ曲がり過ぎたのかーーそれとも。
原生生物が消し飛んだ。圧倒的な炎で原生生物は塵となる。見覚えのある炎。
「オーゼン!」
見るとそこには無尽鎚を手に、ボロボロになったライザが立っていた。ライザは私に駆け寄る。
「オーゼン! し、しっかりしろ! 大丈夫か!」
顔をくしゃくしゃにして、ライザは涙を流していた。その瞳にいつも光は無い。
こんなライザの顔は初めて見た。
13Res/8.56 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20