4:名無しNIPPER[saga]
2017/08/14(月) 17:50:34.51 ID:O2qgAIKjO
「その傷は、心折れようと奈落に挑み続けた不屈の証だ!」
満面の笑みで小娘は言った。
思わず笑ってしまったのを覚えている。アビスの呪いを不屈の証だなんて言う奴は初めて見たからだ。
面白い奴だ。捻じ曲がった心にもそんな思いが浮かんだよ。かくして私はこの小娘ーーライザを弟子に迎えいれた。
修行をつけていて思ったのは……不屈。そう、ライザは不屈だった。
よく大人気ない奴だと言われるが、どうも私は加減が出来ないらしい。特にあの頃は弟子なんて初めてだったから……割と酷い修行だったんだろうね。
私に言わせればアビスの化物共はもっと狡猾で残酷。だから教える事に手心を加えるなんて出来ない。
血と涙でグチャグチャにライザは毎日、地を這っていた。
だけどライザは必ず立ち上がり。
「どうしたオーゼン……わたし……はまだやれるぞ……」
血塗れでそう凄むライザの姿に畏怖すら覚えたものだ。
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