16:名無しNIPPER[saga]
2017/08/14(月) 23:46:04.72 ID:7ZBN3l0J0
――アタシは想像する。
振り返っただりーの目と口だった部分は、真っ黒に塗り潰されている。
でもそれは間違いで、よくよく見れば昆虫の複眼のように無数の孔があいている。
覗き込めばがらんどう。その中ではコイルと磁石と銅線がしかるべき配置で絶えず振動している。元あった内臓はどこにいったのだろう。
演奏が終わる。万雷の拍手と十万人の歓声がワンルームを破裂させる。
5曲目がはじまる。後ろの正面には回れない。だりーを止める者はいない。みんなこのステージの尊さを知っているから。
アタシは自分が泣いていることに気付く。
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