女「犠牲の都市で人が死ぬ」 男「……仕方のないこと、なんだと思う」
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68:名無しNIPPER
2017/08/23(水) 16:45:36.89 ID:gDsglEzi0
「コクっていうんだがな、あえて甘い部分と苦い部分を混ぜすぎないようにして味の差異を引き立てるんだ。そのために特化した特注のコーヒーと砂糖を使ってるんだよ。単一で飲める奴なんて照みたいな変人だけだ」
「趣味が合うので私の好みと同じにしてみたんですよ」と照が白々しく言った。明らかな確信犯だった。

 僕は照を睨み付けた。
 照がもう一杯コーヒーを運んでくる。今度は砂糖もある。

「裕樹、今度は砂糖入れて飲んでみろ」

 正直、あまり飲みたくはなかった。

 先ほどの感覚を思い出す。毒のような、じわりじわりと染みこむような味。今度はそんなことにはならないとは思う。……なるようになれだ。
 砂糖を溶かす。口をつける。
 ……悪くない。

「うまいだろ?」
「そうですね」
「ほら見ろよ照。お前よりこいつは俺との相性がよさそうだ」

 確かに、そうかもしれない。僕が思っていたより、ボスの性格は違う。
 照が苦笑する。

「たかがコーヒーでそんなこと、わかりませんよ」
「じゃあ本人に聞いてみようか。俺たちのどっちのほうが気が合いそうだ?」
「ボスです」
「わはは」

 照は職務乱用がどうだかと呟いた。でも実際、僕はボスとのほうが気が合いそうだ。

「さて、本題なんだが……裕樹、お前にはスラムのほうに行ってもらいたい。なに、危険はない。羅門と一緒におつかいをするだけだ」
 ……いきなりどういうことだろう?
「まあ、たまには外に出てみようってことさ」

 と、照が言った。
 僕は頷く。

「わかりました」
「あーそうそう」

 ボスはコーヒーを飲んでいる。

「羅門はスラム出身だ」


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