女「犠牲の都市で人が死ぬ」 男「……仕方のないこと、なんだと思う」
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56:名無しNIPPER[sage]
2017/08/17(木) 22:43:03.28 ID:5vAlKS7V0
◆◆










 ――影が踊っている。
 笑い声。否定の嘲笑。

 白衣の男が、私のほうが正しいと勝ち誇っていた。これで理想の世界が来るのだと。
 相対する男は首を振る。そんな保証はないと。

 両者の関係は、元はといえば、とても親密だった。互いが互いの最大の理解者だった。認め合っていた。
 絶望の歌が鳴り響いていた。ほとんどの命は今日で絶える。大いなる星が、終末の時が、人類を滅ぼす。

「あなたの気持ちはわかるんだ」と男が言う。

 でも結果が保証されるわけではない。理想のために犠牲になる人々のことを考えなければならない。
 そんなことを言った。

 ――前に進むためには犠牲が必要だ。

 しかし、

 ――人を犠牲にする権利は誰にもない。

 世の中は理不尽に回っている。誰かがそれを変えたいと思った。人々は幸せになるべきだと、報われるべきだと説いた。
 その結末がこれだった。

 誰よりも理不尽に納得していなかった。腹を立てていた。

 そんな奴が何人もの命を犠牲にしようとしている。そう、いつだって、世の中は理不尽だ、だから。

 ――小を切り捨て、大を取る。

「今現在の百億を捨て、未来の千億のために」と白衣の男はそう謳う。

 民族、宗教、政治。異なる価値観によって起こる紛争、夥しい死体の群れ。それらはすべて必要のないものだった。
 星は本来、人類への贈り物。しかし、それは人の滅亡のために利用される。白衣の男は同じ思想をもつものと自身を犠牲にして、星を堕落させた。人を滅ぼすための道具に、変えてしまった。



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