女「犠牲の都市で人が死ぬ」 男「……仕方のないこと、なんだと思う」
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172:名無しNIPPER[saga]
2017/09/15(金) 00:52:39.00 ID:jX7ap57O0

「本当に?」

 自分が言っているのか、誰が言っているのか。

「諦めたかったの?」
「そんなわけない」
「君の思いを聞かせてよ」
「世界全体はすくわれるぺきだ」
「どうして?」
「それが正しいと信じるからだ」
「彼女のことが好き?」
「とても」
「諦めるの?」
「それが現実だ」

 誰かが否定の声をあげる。産声めいた変化。

「君はいつまで生きる?」
「またその話か」
「君はいつまで生きる?」
「彼女が生きている間まで」
「わかったよ」

 声は笑っている。
 賢者が笑ってる。

「君は変なやつだ」
「変?」
「まともじゃないね。世界全体の幸福を望んでいて、一人の女の子を愛していて、自分が苦しむ思考から逃げない。もっと効率よく生きればいいのに。そのことすら自覚しているのに、愚かだって思っているのに……いつだって君の思いは変わらない」
「……」
「君と塔で話したとき、君になら任せられると思ったんだ。君みたいな変な奴に。だからここから、救ってあげよう」

 いいのだろうか? 僕だけが助かって、こんなにも苦しんでいる人はいるのに。

「いいんだよ。だって僕も君と同じ考えを持っているんだから」



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