6: ◆C2VTzcV58A[saga]
2017/08/13(日) 05:15:41.98 ID:Y2FCiwW5O
「今日、学校はどうだった?」
「別にいつも通りよ。授業を受けて、友達とおしゃべりして」
「授業でわからないところとかは」
「ないわよ。アタシ成績優秀なんだから!」
「はは、さすがだな。一度、梨沙の授業風景を見てみたいよ。授業参観とか行けないかな」
「アンタ親じゃないでしょ……」
だよなあ、と笑うP。相変わらず、気の抜けるようなバカっぽい笑い方。
「学校のほうは心配なさそうだな。じゃあ、今日のレッスンは」
「昨日、うまくいかなかったところがあったから。今日はリベンジね」
「ダンスは梨沙の得意分野だから、トレーナーさんに負けられない?」
「そういうこと。絶対汚名挽回してやるんだから!」
「それ、たぶん『汚名返上』か『名誉挽回』が正しいと思うぞ」
「あ」
間違えた……ちょっと悔しい。
「ははっ」
「あー! バカにしてるでしょその笑い方!」
「そんなことはないよ。俺が梨沙くらいの歳の頃は、四字熟語なんて存在すらほぼ知らなかったくらいなんだから。惜しい間違いができるだけ俺より上だ」
「アンタの子どもの頃と比べられても」
「それに、梨沙なら次はもう間違えないだろう?」
「ん………トーゼンでしょ!」
「はは、やっぱりそうだよな」
またまたいつもの気の抜けた笑顔になるP。ホント、バカっぽい顔。パパの渋くてかっこいい笑顔とは大違い。
でも、なんでかしら。見てると落ち着くから、嫌いじゃないのよね。
「そうよ。ふふっ」
かっこいい顔はパパで十分! だから、Pはずっとこういうバカっぽい顔をしていてほしい……なんて、思っちゃうくらい。
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