6: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2017/08/12(土) 00:44:52.39 ID:Tx30bpDoo
千歌「また寝たら怖い夢見ちゃうかもしれないし、楽しいお話しよっか」
ダイヤ「なんで……」
千歌「ん」
ダイヤ「なんで、貴女はそんなに優しいの……」
千歌「……うーん、ダイヤさんがチカに優しくしてくれるからじゃないかな」
ダイヤ「……わたくしのは、そんな高潔なものじゃない」
千歌「高潔……かはよくわかんないけど、ダイヤさん優しいよ」
ダイヤ「ねえ、優しくしないで……わたくし、どんどん弱くなってしまう……」
黒澤の女は常に強くあらねばならない。
なのに。
千歌「……」
ふわりと……千歌さんに抱きしめられる。
千歌「弱くなっちゃ……ダメなの?」
ダイヤ「ダメなの……わたくしは……強くなくちゃ……」
自分に言い聞かせるように、言葉を搾り出す。
千歌「そっか……」
ダイヤ「だから、弱いわたくしを受け止めないで……お願いだから」
千歌「それは出来ないかなぁ……」
ダイヤ「どうして……」
千歌「だって、それもチカの大好きなダイヤさんだから。」
ダイヤ「……」
千歌「ダイヤさんだって、チカが泣いてたら抱きしめてくれたもん」
ダイヤ「……」
千歌「同じだよ」
その言葉を聞いて、堅くなっていた肩から少し力が抜ける。
ダイヤ「……ここ数日わたくし、少し動揺が過ぎますわね……」
千歌「しょうがないよ。でも、チカの前ではどんなダイヤさんでも大丈夫だから。……ね?」
ダイヤ「……ありがとう。千歌さん。」
抱きしめられたまま、深呼吸をする。千歌の匂いに包まれていて、すごく……すごく安心する。
ダイヤ「貴女でよかった……」
千歌「うん。チカもおんなじ気持ちだよ」
再び眠りに落ちるまで、千歌さんは優しく頭を撫でてくれていた。
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