32: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2017/08/22(火) 13:24:43.93 ID:o39F6EG+o
蛍光灯に照らされた水面にパシャパシャと水音が響いている。
曜「ルビィちゃん、その調子……」
ルビィ「は、はい……!!」
私はプールに浸かり、ルビィちゃんの両の手を掴んだまま、声をかける。
ルビィちゃんは沈まないように必死にバタ足をしている。
曜「そうそう、いい感じだよ」
冬の日は短く、もうすでに外は暗い。
そんな中で室内プールを貸しきってもらって、ルビィちゃんの水泳の練習に付き合っている。
ルビィ「ぅ……ぅゅっ……」
曜「あ、ルビィちゃん! もっと頭上げて……」
ルビィ「……ごぼぼ」
曜「あわわ、ルビィちゃん!?」
水面から出した頭がだんだんと下がっていき、そのまま水に沈んでしまう。
私は抱き寄せるにようにルビィちゃんを水面から引っ張り上げた。
ルビィ「はぁ……はぁ……」
曜「ルビィちゃん、大丈夫?」
ルビィ「ご、ごめんなさい、曜さん……もう一回お願いできますか……?」
曜「いや、一回休憩した方が……」
ルビィ「お願いします……!!」
頑張っているルビィちゃんに、こうしてお願いされると弱い。
曜「う、うーん……じゃあ、もう一回だけ……」
と、私が了承しようとしたところに
鞠莉「はい二人ともStop!」
プールサイドにいた、鞠莉ちゃんがパンパンと手を打ち鳴らして、静止を呼びかけてきた。
鞠莉「曜、あなた推しに弱すぎよ」
曜「う……ごめんなさい」
鞠莉「ルビィも貴女、今日は朝からLesson尽くしだったんでしょ? 少しは休憩することも覚えなさい」
ルビィ「ぅゅ……でも……」
鞠莉「溺れたら命に関わることもあるんだから、疲れたままやりすぎないの。あなたに何かあったら悲しむ人がいるのよ?」
ルビィ「は、はい……わかりました。」
ルビィちゃんが少し顔を伏せながら、プールからあがる。
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