ダイヤ「貴女と選んだ」千歌「道の先で」
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26: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2017/08/15(火) 01:48:44.07 ID:L6UfyqFHo

千歌「しいたけ〜。お〜い。」

しいたけ「……」

千歌「真昼間から寝てるし……。しいたけも千歌の相手をしてくれないなんて、悲しいぞっ」

しいたけ「……わふっ」

千歌「……うーん。こりゃ、経験上動かないな。」


はーっと両手に息をかける。

真っ白な吐息が冬の到来を色濃く示している。


千歌「さむ……」

果南「そりゃ、そんな薄着で出るからでしょ」


そんな声と共にばさっと上着が被せられる。


千歌「あ、果南ちゃん」

果南「風邪引くよ?」

千歌「あはは、ありがと。……でも、チカはバカだから風邪ひかないしー」

果南「悪かったって、もう……」

千歌「えへへ、冗談だよ」


しいたけの犬小屋の前にしゃがみこんでいた私の隣に、習うように果南ちゃんもしゃがみこむ。


果南「しいたけ〜、出ておいで〜」

千歌「たぶん、無理かな……これは出てこない。」

果南「だねぇ……。」


二人で小屋の中に手を伸ばして、撫でてみる。あったかい。

けど、外に出てくる気配はなかった。

二人で白い息を吐きながら、ぼんやりとしいたけを撫でる。


千歌「ダイヤさんは?」

果南「梨子ちゃんと一緒に効率のいい神経衰弱の記憶法の話してたよ。私にはさっぱりだったから、出てきた。」

千歌「そっか」

果南「それにしても千歌も優しいね」

千歌「ん、なにが?」

果南「いや、自分から神経衰弱やろうなんて言い出すとは思わなくってさ」

千歌「あー……」



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