28:znAUHOH90[sage]
2017/08/15(火) 00:16:42.79 ID:ytW4vJUe0
「すまんな。本当にこういうの、慣れてないんだ。どう接して良いのかわからない。」
カン、カン、カン、ふたりでアパートの階段を歩いていく。あたしの後から昇ってきたPさんが、ふとそんなことをつぶやいた。
「いいんじゃない、それでも。」
振り返ったPさんが、不安そうだったから。
心臓をくっつけるように、強く。Pさんを抱き締めた。
「ふたりでのんびり歩いていこ。あたしはずっと、傍におるよ?」
ダメになりそうな夜も、壊れそうなくらい辛かった時も、二人で越えてきたじゃんか。
寂しさを、心の穴を埋めることくらい、ふたりだったら、楽勝だよ。
告白がへたくそでも、距離感や触れ合い方がわからなくなっても。
あたしはなんでも、付き合ったげるから。Pさんがあたしにそうしてくれたように。
「ありがとう。」
泣きそうなような、はにかんだような。そんな顔で、Pさんはあたしの頭をくしゃくしゃと撫でた。
ふたりだったら、無敵だよ。だってこんなに幸せじゃんか。
「あ、ちょい待って」
「ん? またか?」
部屋のドアを開けて中に入ろうとしたPさんを制止し、Pさんを押しのけ、あたしは先に入り、ドアを閉め、また開けた。
怪訝な顔をするPさん。
そんなPさんに、あたしは言ってやった。
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