90: ◆Rin.ODRFYM[saga]
2017/08/10(木) 00:49:47.65 ID:c5e7bYk30
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「栄えあるシンデレラガールは」
司会者のコールで、ドラムロールが流れて、スポットライトが私たちの上をふらふらと揺れる。
早く。
早く。
早く。
十数秒ほどのドラムロールがひどく長く感じられる。
心臓が早鐘を打つ。
「渋谷凛さんです!!」
スポットライトが私の上で停止した。
焦げそうなくらいに熱い光が私を照らす。
暖かな拍手に包まれながら、マイクを手渡された。
「今のお気持ちを、聞かせてください」
まとまらない思考を無理矢理まとめて、ぽつりぽつりと話し始める。
「私が今、ここに立てているのは、私一人の力ではなくて、衣装一つだって、私一人ではどうにもならないから、まずはここまで連れてきてくれたファンのみんな、私がここに立つために全力を尽くしてくれたたくさんの人に、お礼を言わせてください」
「……私を信じてくれて、ありがとうございました!」
「そして、もう一人。大事なことを教えてくれた人にも……ありがとう」
「私が、その人に教えてもらったのは、輝くこと」
「…………期待どおり、輝けてると、いいな、と思います」
「本当に、ありがとうございました!」
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