68: ◆Rin.ODRFYM[saga]
2017/08/10(木) 00:38:36.24 ID:c5e7bYk30
*
連れて行かれたのは、ちょっとおしゃれなレストランだった。
雰囲気にあてられてしまって、正直何を食べたかあまり覚えていない。
でも、おいしかった……と思う。
「今日は、ありがとうございました」
車に乗り、シートベルトを締めて、今日のお礼を言った。
「いえいえ。おいしかったですか?」
「はい、すごく」
「それは、よかったです」
気まずい沈黙が訪れて、耐えきれなくなって私は「あの」と声をかけた。
「ずっと言えなかったことがあって」
「……? はい」
「その、最初にスカウトしてもらったとき、失礼な態度を取って、すみませんでした」
「ぷっ、あははははは。そんなことですか」
大笑いされた。
意を決して、あのときの非礼を詫びた私を待っていた仕打ちは、大笑いだった。
123Res/80.36 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20