渋谷凛「輝くということ」
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40: ◆Rin.ODRFYM[saga]
2017/08/10(木) 00:24:17.92 ID:c5e7bYk30



机の上のクリアファイルの中から、ポケットに入れたせいで少しくしゃっとなった名刺を取り出す。

書かれていた電話番号を、携帯電話に打ち込んで発信する。

数コールのうちに、電話は繋がった。

「……夜分遅くに失礼します。先日、うちの犬を助けていただいた者です」

私が名乗ると、男は「あー!」と大きな声をあげる。

どう言い出していいかわからなくて、無言になってしまう。

男は、私の言葉を待っているみたいだった。

思いっきり息を吸い込んで、吐いて、吸い込んで、吐いてを繰り返す。

何度目かのそれを経て、私はこう言った。



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