39: ◆Rin.ODRFYM[saga]
2017/08/10(木) 00:23:50.10 ID:c5e7bYk30
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どうしても胸の中のもやもやが晴れない。
たまらず私は、店先のプランターをしまい込んでいる父に「あのさ」と声をかけた。
「ん。どうかした?」
「この前、アイドルにスカウトされた、って話。したよね」
「ああ、ハナコの散歩のときにって話か」
「そう。……そのとき、お父さんはどう思った?」
「凛。よく聞いて」
「え。うん。何?」
「お父さんには、もう答えは出てるように見える。だから、何も言わない。進むにしろ、そうでないにしろ、自分で選ぶといいよ」
「……うん。ありがとね」
「さて。やること、あるんだろう?」
「うん。ある」
ハナコを床に降ろして、立ち上がり、キッチンにいたお母さんに「ただいま」を言うのすら忘れて、自分の部屋へ向かった。
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