10:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/06(日) 15:40:06.04 ID:FTMglOEQ0
イベント会場・休憩室
文香「ふう、今日は……想像以上に、疲弊しました」
ありす「全くです。いくらサイン会とはいえ、あそこまで人が集まるなんて思いもしませんでしたよ」
11:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/06(日) 15:40:50.80 ID:FTMglOEQ0
文香「ありがとうございます。ありすちゃんは……優しい方ですね」
ありす「やめてください、照れちゃいますよ」
文香「ですが、事実は事実として受け入れなければいけません……ありすちゃんが私にかけてくれた言葉は、優しい嘘です。嘘は時として薬にもなりますが……同時に毒にもなるのですから」
12:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/06(日) 15:41:44.50 ID:FTMglOEQ0
ありす「ちょっと待っててください。なにか飲み物を持ってきます」
文香「でしたら私も一緒に……」
ありす「お疲れのようですし、ここは私に任せてください。大丈夫です、すぐに戻ってきますよ」
13:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/06(日) 15:42:59.57 ID:FTMglOEQ0
ありす「……着いた」
ありす(肝心の文香さんはというと、戻ってくるまで五分もかかっていないのに、すでに読書に励んでいました。さすが自他共に認める本の虫……彼女にとってはたった五分足らずの時間でさえも、活字を読むのに相応しい時間なのでしょう)
14:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/06(日) 15:43:54.16 ID:FTMglOEQ0
ありす(それからの流れは、実にスムーズだった。計画通りにメールを送ると数分後にPさんがやって来た。Pさんが来るまで見張りを任されていましたが、他の方が休憩室を訪れる気配など微塵もなく、私はただただ、眠り姫と化した文香さんを舐めるように見つめるだけ。これから行われる情事を想像して、頬を上気させるだけだったのです)
モバP「よくやったな、ありす」
15:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/06(日) 15:44:58.94 ID:FTMglOEQ0
モバP「憧れは理解からもっとも遠い感情だ。お前は大人というものを真に理解できてなどいなかった」
ありす「──どこまで堕ちるつもりですか、Pさん」
モバP「どこまでも堕ちるさ。果てなどない」
16:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/06(日) 15:46:02.32 ID:FTMglOEQ0
ありす(躊躇いなどなかったはずだった。だって、これは全て私の望んだことだったから。この手を伸ばし、熟睡している文香さんをふみふみするだけで、全部終わり。だというのに、どうしてこうも名残惜しいのでしょう)
ありす「文香さん」
17:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/06(日) 15:47:15.27 ID:FTMglOEQ0
ありす(そう言って、文香さんはのっそりと立ち上がった。彼女はまるで幽鬼にでも憑かれたかのように、禍々しい形相をしていた。口角を上げ、にやりといやらしい笑みを浮かべるそれは、もはや私の知っている文香さんではなかった)
モバP「ありす、ここは一旦引くぞ──!!」
18:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/06(日) 15:48:24.59 ID:FTMglOEQ0
文香「無理もありません……彼女はまだ小学六年生。子どもがこのような失態を犯してしまえば、恐怖に怯えるのも当然かと」
美波「そうね、この子のおしおきは後回しにしましょう。今はそれよりもっと大事な用事があるもの」
19:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/06(日) 15:49:44.84 ID:FTMglOEQ0
モバP「……賢しい真似を」
美波「これも全てPさんの教鞭のおかげです。どうです?担当アイドルたちの成長を見れて嬉しいですか」
モバP「ああ、実に愉快だ。これだけ飲み込みが良ければ、指導の甲斐もある」
20:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/06(日) 15:51:06.90 ID:FTMglOEQ0
ありす(じりじりとPさんに詰め寄る文香さんは、恍惚とした表情を浮かべていた。微塵も罪の意識など感じていない様子で、本当に嬉しそうだった。だからこれから起こることは、きっと私たちにとって、とても楽しくて夢のような時間なんだろう)
モバP「すまなかったな、ありす」
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