モバP「ふみふみをふみふみ」
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10:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/06(日) 15:40:06.04 ID:FTMglOEQ0
イベント会場・休憩室

文香「ふう、今日は……想像以上に、疲弊しました」

ありす「全くです。いくらサイン会とはいえ、あそこまで人が集まるなんて思いもしませんでしたよ」

文香「次にイベントを開催するなら、もう二回りほど……大きな会場を予約しなければいけませんね」

ありす「なんだか凄く憂鬱な気分になってきました」

文香「人気があるのは、喜ばしいことですよ……少々の苦難は、頂きに辿り着くためのスパイスみたいなものだと思えば、道中の景色も変わっていくものです」

ありす「前向きな考えですね」

文香「後ろになにかありますか?」

ありす「……文香さん、以前より明るくなった気がします」

文香「そうでしょうか。主観からではあまり変化はないように思えるのですが、ありすちゃんがそう言うのなら、私は以前よりいくらか明るくなったのでしょう」

ありす「嬉しくないんですか」

文香「どうして、そんなことを?」

ありす「だって明るくなってファンも大勢ついてるのに、文香さん……浮かない顔をしてるから」

文香「変わる、ということは過去の自分と決別すること……だと思っているので」

ありす「………………」

文香「大袈裟な物言いをすると、過去の自分を殺めてしまう感覚……といったところでしょうか」

ありす「自分を、殺す?」

文香「はい。変わるということは、凄く怖いことだと思うんです……過去を肯定するのなら、ありのままで居続ければいい……変化のない日常は、静かで落ち着けて、ゆったりとした時間をもたらしてくれます。でも、それは穏やかな死と同義です……誰と触れ合うこともなく、誰に影響を与えることもない人間は、きっと生きた屍と変わりません。昔の私は、そういう類の人間でした」

ありす「そんなことはないと思いますけど」



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