8: ◆30lx83ehPU[saga]
2017/08/05(土) 22:10:49.08 ID:W2SDnvMcO
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それから1週間が経った、土曜日の午後。
泉はまた廊下を歩いていた。
行き先は池袋研究所。時計の針はレッスン開始の15分前を指していた。
地下2階にあるいつもの扉をノックして、返事を待つ。
返事が無いのを確認してから、心の中で3つ数え、扉を開く。
その一連の所作は、この1週間で手馴れたものとなってしまっていた。
そしてやはり、いつものように部屋の真ん中に座り込んでいる少女の背中に声をかける。
「晶葉、レッスン」
「む、ああ、もうそんな時間か、分かった」
そんな簡単なやりとりだけを交わし、泉は扉にもたれ掛かる。
返事をしたにも関わらず、この小さな天才はすぐには立ち上がらない。 今の作業をキリの良いところまで済ませたいのだろう。 それもまた、いつものことだった。
その気持ちは泉にも理解出来る。だから、晶葉が自分から立ち上がるまでは無駄な口は挟まなかった。
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