ある門番たちの日常のようです
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97: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/08/18(金) 23:02:24.90 ID:w0/XbvPLO
音が鳴った。

中身が入ったビール缶を握りつぶしたような、水風船を満身の力を込めて地面に叩きつけたような、そんな大きく響きはするが軽い音。

例えその光景を目の前で見たとしても、重巡洋艦娘が戦艦ル級の頭を地に打ち付けて叩き潰したときに“それ”が鳴ったのだと俄に信じられる者はこの世にどれだけいるだろうか。

( ФωФ)「………のっけから全力全開であるな」

( T)《※このゲームには暴力シーンやグロテスクな表現が含まれています》

( ФωФ)「は?」

誰だこのふざけた男を1大国の命運がかかった作戦に連れてきた奴。

我が輩か。

「─────あはっ♪」

彼女は───重巡洋艦・青葉は止まらない。

ビクビクと震える首無しル級を放り捨て、更に踏み込む。

『…………ッ』

事態を飲み込めずにいたのだろう、随伴艦であるリ級の動きはあまりにも緩慢だった。

残り五歩になったところで、ようやく肉薄する青葉に気づく。

四歩。驚愕からか、或いはもっと別の感情からか、あからさまに表情を歪める。

三歩。右手に展開した艤装を、弾丸のような速度で接近してくる青葉に向ける。

二歩。既に間近に迫った青葉から逃れようとしたか、砲を向けながらも仰け反るようにして身体が後ろに流れた。

一歩。

『────?』

ぷつり。

古びたゴムが千切れるような、ビニールテープをハサミで裁断したような、そんな妙に無機質に感じる音を残して。

リ級の右手が、消える。

零歩。

「ハイっ、おしまいっと!」

『………? ───……?』

状況を飲み込めぬまま呆然と眼を見開いていたリ級の首筋を、先程右腕を切り落としたばかりの青葉の手刀が撫でる。

青色の体液を鮮やかにまき散らしながら、リ級の首が宙を舞った。


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