ある門番たちの日常のようです
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93: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/08/18(金) 17:50:46.82 ID:w0/XbvPLO
『────!? ─────!!!?』

『───ッ』

Scorpio-01と武蔵に対する砲撃の実行者である戦艦ル級は、明らかに動揺していた。その随伴艦としてともに前衛まで進出してきた重巡リ級もまた、隣に立ちながら表情を強張らせる。

当たり前だ。砲撃を躱される、耐えられるまでなら此方が艦娘であることも含めて十分に想像できよう。だが、徒手空拳で砲弾が撃墜されるなど例え眼前で見せられたとしても俄には信じられまい。なにせ味方の側であり、しかもあやつらの練度をよく知っているはずの我が輩ですら未だ目の錯覚だった可能性を捨てきれないのだから。

『────ッ!!!!』

場合によっては恐怖すら抱いていたかも知れない。ル級は明らかに冷静さを欠いた動きで、両手の艤装を武蔵に向けて構える。

故に奴は、既に間近に迫っていた“より危険な存在”を感知できなかった。

『……………ア?』

巨大な盾を思わせる艤装が、持っていた両手ごと落下する。一拍遅れて吹き出した自分の青い血液を、ル級は半ば呆けた表情で眺める。

「────ども〜♪」

『ゥア゛ッ!?』

掛けられた声に顔を上げた瞬間、視界が誰かの掌によって覆い尽くされる。

「ぃよいしょぉっ!!」

『!!!?!?!?』

青葉型重巡洋艦、1番艦青葉。

彼女は、そんなどこか気が抜けるような気合いと共に、鷲掴みにしたル級の頭を地面に勢いよく叩きつけた。


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