65: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/08/15(火) 23:03:04.25 ID:pLchbqPz0
( ФωФ)「反政府軍との交戦は?」
「市街地各所で発生しています。【Warthog】が引きつけているからと言うのもありそうですが、寧ろ深海棲艦と交戦した記録の方が少ないですね」
別のオペレーターが、計器を操作してモニターに新たなデータを出力する。
ムルマンスク市全体の簡易地図が映し出される。地図の幾つかの箇所には、赤色や緑色の光点が点滅していた。
それぞれ赤が深海棲艦と、緑が反政府軍と空挺部隊による交戦が発生した点になる。なるほど、ざっと見ただけでも7:3で緑色のマーカーの方が多い。
( ФωФ)「着陸時までに発生した空挺部隊の損耗は………2割程度か」
脳内で真っ先に「思ったより軽微な損害だな」という感想が、口元にそのことを自嘲する苦笑いが浮かぶ。
昔と……六年前と比べて、我ながらイヤな人間になったものだ。
( ФωФ)「“ヒト型”との交戦報告はあるか?」
「今のところ市内では確認できません。ただ、今回の“暴動”のせいで州全体の防衛網に多大な混乱が生じているため奴等の侵入を防げる状態じゃありませんでした。
まだ到着していないだけでここに出現する可能性は極めて高いかと」
「コラ湾はパラオ鎮守府艦隊を主力とする別働隊が封鎖を完了、深海棲艦を迎撃中。
現状は優勢ですが物量差がかなりあるため、持ち堪えられる時間は長くないですね」
「航空隊より報告。軍港施設にて人間と深海棲艦の交戦が確認されました。武装から推測するに正規ロシア軍のものではありません。案の定といいますか、おそらく鎮守府・港湾施設は反政府軍の手に落ちています」
('、`*川「准将、大本営より通信。ロシア連邦軍より本格的な増援部隊が編成・派遣されたとのこと。現時刻より1時間程度で到着する見込みです」
優秀なオペレーターたちが矢継ぎ早にあげてくる情報に眼を通し、耳を傾け、まとめ、整理していく。
……状況は例え世辞でも良いとは言えない。だが、少なくとも予想の範疇からそう大きく外れたものではなかった。
作戦を変更する必要は“まだ”ない。そう確信した我が輩は、次の段階に進むべく通信機を手に取る。
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