57: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/08/14(月) 22:05:26.14 ID:LdiSRF6L0
ビシャビシャと湿気た音を立てて、ブヨブヨした白い脂肪の塊が路上のあちこちに落下する。薄らと降り積もりコンクリートを美しく塗装していた雪が、同じ白でも腐ったぞうきんに近い色の肉片に踏み荒らされて無惨に調和を崩していく。
砲塔部分で起きた大爆発に巻き込まれて、ホ級eliteの巨体はおおよそ7割程度が消し飛ばされた。
「……」
江風が顔をしかめながら俺達を振り返る。咄嗟に得物を回収した上で飛び下がっていたので爆発に巻き込まれた様子はないが、強烈な異臭を放つホ級の肉片と体液を頭から浴びる羽目になった彼女は不愉快げな表情を隠そうともしない。
「少尉、ギコさンさ、それ既製品?」
(,,゚Д゚)「……いや、技研から“プレゼント”された新兵器だな。しかも事前通告無しで」
確かに内蔵弾薬への誘爆を狙って砲塔に投げ込んだが、幾ら何でも爆発が大きすぎる。此方としては江風と時雨がトドメを刺すのを援護するつもりで投げ込んだため、面食らったのは俺も同じだ。
「最低でも携行ミサイルぐらいの威力はありましたよね、あの爆発から察するに……」
(,,゚Д゚)「なんつー危険物持たせてんだあのマッドサイエンティスト共」
移動を再開しつつ、残り二つになった手榴弾の内一つをベルトから取り外して眺める。
姿形はM26手榴弾と殆ど変わらないのだが、よく見ると表面に何か描いてあることに気がついた。
ハ_ハ
ナオルヨ!! > ((゚∀゚∩
\ 〈
ヽヽ)
(,,゚Д゚)
(,,゚Д゚)「えっ、なにこれ」
廃村間近の村の役場が血迷って出した、ローカルゆるキャラの失敗作みたいな絵だった。
マジでなんだコイツ。何で跳んでるの?何で満面の笑顔なの?技研マジで何考えてんの?
ハ_ハ
ナオルヨ!! > ((゚∀゚∩
\ 〈
ヽヽ)
何が治るんだよお前破砕手榴弾だろうが。対極の存在じゃねーか。
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