ある門番たちの日常のようです
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50: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/08/12(土) 22:53:26.10 ID:JRPJjvivO
それは、信じられないほど稚拙な待ち伏せだった。

せっかく包囲下にあった俺達にわざわざ脱出寸前まで手を出さず、いざ戦闘が始まれば銃火を隠す努力すらせず隠れている位置を教えてくる。肝心の射撃もろくに狙いが定まっていないため、弾丸の大半は的外れな場所に突き刺さる。味方が倒れれば、相互の連携も取らずに助けようと射線に身を晒して結果屍体を増やすだけ。

(,,゚Д゚)「……江風、路地に伏兵は?」

《いんや、居ないね。ビビって出てこれない可能性も0じゃないけどさ。

一応確認するかい?》

(,,゚Д゚)「いや、弾と時間の無駄だ。いい」

あまりにもお粗末な有様に罠の可能性を考えたが、通信を飛せば拍子抜けするような返答。

疑念は、確信に変わる。

こいつらは市民を装ったりしているわけではない。正真正銘、ずぶの素人だ。

(,,゚Д゚)「2、3人負傷させて退くぞ。殲滅するだけ弾の無駄だ」

「Aye sir」

援護に戻ってきた兵士の肩を叩いて合図を出し、幾つかの暗がりや物陰に弾丸を叩き込む。肩や足を抑えた人影が呻き声を上げて地面に転がるのを目にすると、俺たちは一応後方に注意を向けながらもとっととその場を去る。

案の定、申し訳程度の当てる気すらない銃弾が何発か撥ねただけで追撃の気配は全くなかった。

《どうだった?》

(,,゚Д゚)「追撃の心配は無い。前方への警戒だけで十分だ、このまま進め」

《解った。こっちは4ブロック先まで行ってるからとっとと追いついてね。あんまり待たせると鼻に練りからしねじ込むから》

(,,゚Д゚)「エグすぎるだろ……」

中東の過激派辺りが正式に尋問の手法として採用しそうな内容に身震いしながら、もう一人を促して足を速める。

(,,゚Д゚)「どういう教育してんだよあの筋肉野郎……」

子は親に似るとはよく言ったものだが、艦娘と提督にも同じことが言えるらしい。

白露型駆逐艦2番艦の言動には、英才教育の成果がしっかりと窺えた。


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