ある門番たちの日常のようです
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451: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/10/22(日) 23:20:37.69 ID:N6bKefKp0
彡(゚)(゚)「………さて、今回もしっかりと日本にとっての“国益”は確保した。

せやけど、そろそろもう一度“世界全体”で物事を見なあかん段階でもある」

南首相はそう言って足を組み、より深く総理執務室の椅子に腰掛けた。

その眼差しは今までと一転して険しく、微塵の戯けも存在しない。

彡(゚)(゚)「単刀直入に聞くで。この戦争で、“人類”は“深海棲艦”に勝てるか?」

( ФωФ)「無理であります」

故に、我が輩も誤魔化しや皮肉を挟まず真剣に答える。

( ФωФ)「各国の足の引っ張り合いがどうとか、そう言う次元ではありません。深海棲艦と人類の間には、それだけ互いが保有する物量に差があります。場合によっては、質の面ですらその内凌駕される………或いは疾うの昔にされているかも知れません」

彡(゚)(゚)「………悲観的な内容であること自体は予想しとったけど、そこまでかい。ムルマンスクで与えた打撃は少しとはいえ影響せんのか?」

( ФωФ)「ムルマンスクの艦隊はただの偵察部隊です、首相」

彡;(゚)(゚)「………」

蒼白になった首相の頬を、冷や汗が一滴伝っていく。とはいえ、“青葉中破”の報の時に比べて動揺は遙かに小さい。

向こうにとっても、ある程度予想済のことだったようだ。

( ФωФ)「存外驚かないものですな」

彡;(-)(゚)「前線からの報告でどうも臭い雰囲気はあったからな。それでも“どうか予感が外れますように”と願ってたんやが」

湯飲みを持ち上げ、グビリと大きく喉を鳴らして茶を飲み干す。落ち着いたらしい首相は、汗をハンケチで拭いながらこちらに視線を戻した。

彡(゚)(゚)「一応聞こうか。最終的に【第二次マレー】にすら匹敵するほどの巨大艦隊がただの偵察部隊に過ぎないと思う理由を」

( ФωФ)「【Black Bird】の襲撃が少なすぎる。突入時に30機前後が襲ってきた後は音沙汰無し、もしあの攻勢が本攻めならこんなことは有り得ないのであります」

【Black Bird】───ルール地方上空でアメリカ空軍のストライク・パッケージを一方的に殲滅し、ベルゲンでは北欧連合空軍を蹂躙した深海棲艦側の最新航空兵器。球形の機体にカラスの羽根のような両翼と二本の足を持つという特徴的なフォルムからその名前が着けられている。

武装は、凡そ近代戦闘機と威力の差がほぼ無い機関砲のみ。大きさは大凡通常種のイ級と同程度なので視認はできるし、どうやら空対空ミサイルによるロックオンも可能だという。最高速度はマッハ1.9〜2.1と深海棲艦や艦娘達の艦載機基準で考えれば破格といっていいが、F-15やF-35と大差があるわけではない。

はっきり言って、カタログスペックだけなら近代戦闘機にとっては的がデカくなった分寧ろ従来の敵艦載機よりやりやすい面すらあるだろう。



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