277: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/09/18(月) 23:45:01.07 ID:a0En00hS0
………百数十メートル彼方の唇の動きを読める程度には我が輩は自分の視力に自信があるが、流石に“海軍”側の航空隊の損害の有無は目測で判断することは難しい。
しかしながら逆説的にいえば、“仮に出ていたとしても目算では気づけないレベルの損害”しか受けていないとも言える。
(メメФωФ)(僥倖であるな)
いつの時代も、寡兵が大軍を粉砕するという戦果はセンセーショナルだ。欧州とロシア連邦の命運がかかった戦いでその戦果が上がったという事実は、ロシア連邦や他の“海軍”の存在を知る国々にもこの上ないアピールとなるだろう。
無論、間もなくムルマンスクへ到達するベルゲンからの大規模な敵増援を跳ね返せなければその衝撃度は半減を免れない。だが、逆に其方にも痛撃を与えて制空権を維持することができたなら“海軍”として上げた戦果に更なる付加価値を付けることもできる。
そして慢心・油断ができるような彼我戦力差ではないが、空母艦娘達の平均的な練度や各提督達の指揮能力を考慮すれば全く絶望的な差というわけでもない。“付加価値”を得られる可能性は低くないはずだ。
思わぬ苦戦を強いられ死にかけはしたが、今ではそれすら“付加価値”を高める一因となりつつある。敗色濃厚の戦況を僅かな航空機で一挙に跳ね返した空母艦娘達という箔がついたことを考えれば、あの死を覚悟した数十秒も決して無駄ではなかったといえる。
( T)「クソみてえなこと考えてるときのツラだな」
ふと、首筋のあたりに冷気を感じる。無線越しの指示を終えて振り返れば、“昔馴染み”が酷く冷たい視線を我が輩に向けていた。
口元を真一文字に結び巨矛を肩に担いだまま仁王立ちになる様は、?形像のような迫力に満ちていた。
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