ある門番たちの日常のようです
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269: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/09/15(金) 00:03:27.67 ID:6MJtYdP50
敵中での完全な孤立は艦娘、人間を問わず最も命取りになりかねない行為だ。当然猛者揃いの“海軍”でもそこは変わらず、万一起こってしまったときの命綱である通信関連機器は精度・強度何れにおいても何重もの品質チェックと利用テストが入ってようやく実装される。

勿論100%故障が有り得ないと断言をするつもりはないが、艦娘仕様の無線となると今述べた通り尚更考えづらい。

(メ*゚ー゚)「となると、青葉ちゃん自身に何かあった可能性は………」

(メメФωФ)「…………」

( T)「…………」

「…………」

(*メ;゚ー゚)「ごめんなさい、あまりにも非現実的なことを言ってしまいました」

(メメФωФ)「何、気にするでない」

( T)「誰にでも失敗はあるさ」

「落ち度のない人間なんていませんので」

いつもなら絶対にしないであろうレベルの世迷い言を口走ってしまった椎名が悄気返り、それを我が輩、筋肉野郎、不知火が慰める。

ただでさえ演習で戦った相手の大半にトラウマを植え付ける強さを持った艦娘が勢揃いする筋肉野郎の鎮守府の中でも、あの青葉の戦闘能力は頭一つどころではなく抜けている。無論完全無敵というわけではないし中大破経験もしばしばあるのだが、それでも彼女をよく知る我が輩たちの想像力では「何かがあった青葉」を思い浮かべることができなかった。

ああいや、一応浮かびはしたな。ただ、ル級の生首を高々と掲げる青葉とかイ級を蹴り砕く青葉とか敵艦隊の屍が周囲に山と転がる中で微笑み佇む青葉とか、厳密に言うと“敵に何かをしている青葉”の姿だっただけで。

(メメФωФ)「………」

思い返してみたが、そもそもあまりにも日常的だから「何かある」に含めるべきでもないな。

まさに今日も目にしてるしそんな光景。

( T)「……やっぱ、ねえな」

(メメФωФ)「うむ、絶対無い」

もう一つ状況証拠的な点を上げると、青葉の身に本当に“何か”が起きていればそもそも我が輩たちはこんなに暢気な会話をする暇が無いはずだ。仮に通信すらできないほどの致命的な状況なら青葉を潰した深海棲艦が大挙して雪崩れ込んでくることになるため、この広場は今なお激戦地帯────もとい、筋肉無双劇場公演会場となっていたに違いない。


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