ある門番たちの日常のようです
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262: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/09/11(月) 02:37:37.97 ID:l+qHlvoF0
地を削り、アスファルトを砕いて迫る何条もの火線。奴に対して致命傷になるかどうかは定かでない──軍艦の機銃掃射が致命傷じゃないかも知れない時点でおかしいのだが──にしても、直撃すればただではすまないだろう。

そう、それはあくまでも「直撃すれば」の話。


(#T)「────うぉらぁっ!!!」

『ガァッ!!?』

だが、銃火が奴の位置まで届いた時には既にその姿が路上にない。

自らが愛用する白兵装備を地面に渾身の力で叩きつけた奴の身体は、長柄武器である“それ”を起点に棒高跳びの要領で空中へと身を躍らせる。“筋肉モリモリマッチョマンの変態”を地で行く体格の大男がディズニー映画の一コマのような動きで飛翔する様はなかなかにシュールな絵面だが、ト級達は完全に不意を突かれた形となる。

『ギィッ………!!』

跳び上がりつつ地面から得物の刃を抜き、宙を舞いながら構え直し、一回転して着地する変態筋肉野郎。

その眼前、奴の間合いに三つの“艦影”がある。ト級達は間合いを取ろうと慌てて下がり始めるが、その動きは遅きに失している。

『ギグァッ……』

一閃。向かって左手、イ級の頭部が斬り落とされる。

『カッ』

二閃。横薙ぎに刃が振られ、ト級の三つ首はのど笛を裂かれて同時に青い血を噴出する。

(#T)「うぉらぁあっ!!!」

『ギィッ!!?』

三閃。凄まじい速度で突き出された一撃はイ級の装甲を側面から粉砕し、その下に隠されていた肉を深々と突き破り身体の反対側まで一息に刺し貫く。

(#T)「ふんぬっ!!!」

『ギァ………アァ……』

そのまま刃を引き抜く。支えを失ったイ級は、最期に弱々しく一声鳴いた後横倒しになって絶命した。

(メメФωФ)「……相変わらず人間やめておるな、彼奴は」

「ええ、全くです」

(メ;ФωФ)そ「ぬぉっ!?」

ようやっと身体を起こしながらぼやいていると、誰かの手が我が輩の首根っこを掴んで立ち上がらせる。

助け起こして貰った身でなんだが、ゴミ箱を漁っていて近所の主婦につまみ出されるどら猫のような扱いには眉を顰めざるを得ない。

どうしても顔に浮かぶ不機嫌さを隠せずに振り向くと、肩の辺りで煌めくは超弩級戦艦クラスの眼光。


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