260: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/09/11(月) 00:06:08.05 ID:l+qHlvoF0
(#T)「よくやったぞコブラぁ!」
「だから衣笠って言ってんじゃん!!」
白い球体から火の玉へと姿を変えてちりぢりに落ちていく【Ball】の残骸を眺めながら仁王立ちする衣笠の上を飛び越えて、新たな人影が───忌々しい「昔馴染み」が円形となっているこの広場に踏み込む。身長196cm、体重118kgの化け物じみた体格を誇るそいつは、自身の巨躯すら上回る巨大な棒状の何かを掲げて斎藤たちと対峙するイ級めがけて疾走する。
『!? ゴァアアアアアアアアッ!!!!!』
(#T)「Muscle!!!!!!!!」
急に現れた新たな敵を認識し、其方を向いて威嚇の咆哮を上げるイ級。奴は耳をつんざくどころか物理的な衝撃すら与えてくるその大音声を、ムカつくほど完璧な発音の叫び声で掻き消し得物を右手で力一杯振るった。
『ギッ』
(メ・∀ ・)「えっ」
川メ゚々゚)「あひょ?」
何が起きたのか解らず、斎藤も、クルエラも、固まる。
“縦に”両断されたイ級の全身が、綺麗に二等分に分かれて砂煙を上げながら地面に斃れた。
(#T)「次ィいいっ!!!」
(*メ;゚ー゚)そ「えっ、あれ!?マッさん!!?」
筋肉野郎は止まらない。完全に人間やめてる声量で咆哮しながら総崩れ寸前だった椎名達の戦列も通り抜け、此方へ迫るト級ら敵艦隊に真っ正面から突撃する。
『『『グゴァアアアアッ!!!』』』
一瞬戸惑うように揺れたト級達の艦列は、直ぐに建て直されて機銃掃射が放たれた。
奴等からすれば、“人間ただ一人”の自殺行為に等しい突撃。面食らったが対処は易いという判断なのだろう、迎撃するにあたって策を弄する様子は無く、ただ力任せに銃火を奴の進路上にばらまいた。
( T)「ハッ」
無策ながらも濃密な弾幕。だが奴は、迫ってきたそれを鼻で笑う。
我が輩はよく知っている。それはト級達にとって考え得る限り最悪の選択肢であると。
あの筋肉モンスターと邂逅した時点で、奴等には全速力での逃走以外の選択肢は残されていなかったのだ。
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