ある門番たちの日常のようです
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254: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/09/10(日) 01:37:51.76 ID:7eXIMkUKO
咄嗟にクロスした両腕に、序で全身の骨に、内蔵にと巡に衝撃が伝播していく。それらの痛みを脳が知覚する前に、二度目の衝撃が今度は背中から襲ってきた。

(メ; ω )「ゴホッ……ガフッ……」

酸素を求めて肺が激しく収縮運動を繰り返し、全身の血液が早鐘のように鼓動する心臓によって凄まじい速度で駆け巡る。チカチカと頭の中で星が飛んでいるような感覚と最早痛みを通り越してただの熱としか感じられない激痛が、本来手放されるはずだった我が輩の意識を繋ぎ止めた。

『   !!    !!!』

(#・∀ ・)「    !」


川*メ゚々゚)「   ッ」

いきり立つイ級と立ち上がれずにいる我が輩の間に、斎藤とクルエラが立ち塞がってブレードを振るう。耳は一時的に機能を失っており、イ級の叫び声すら全く聞こえない。ただその中にあっても、クルエラが頬の傷口から血が流れているのすら構わず狂気じみた笑みを浮かべているのが薄らと見える。

(;メ ω )(なるほど、椎名と同類の人種であるか………)

脳の、妙に冷めた箇所がそんな場違いな分析を呟く。もう一人の狂人枠の方を見ることは未だ身体ダメージ的に適わないが、おそらく歓喜に濡れた笑顔を浮かべて敵艦隊と対峙していると容易に想像が付いた。

(メメ ω )(しかし、本当に腹立たしいな)

思考はそのまま、今我が輩自身が置かれている危機的状況のことに移ろう。

全く、今の自分には嫌悪と怒りしかわいてこない。敵が【Ball】主体の航空隊に切り替えて港湾部の空襲を行ってきたという戦況の変化に対応しきれず、“海軍”の精鋭艦娘でも捉えきれない高機動攻撃に苦戦している中でも敵の眼を此方に引きつけるための正面攻勢に固執し、挙げ句あからさまな釣り手に引っかかって指揮官自身が動けなくなる────現場主義が聞いて呆れる、味方の足を引っ張る無能の極み。


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