ある門番たちの日常のようです
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251: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/09/09(土) 23:29:38.47 ID:F5NmazMOO
「───ッ……」

(*;゚ー゚)「っ!?」

直上から放たれた銃火。群れの先頭でオオカミの内一頭が振りかざした牙は届くことなく、足下にできた紅い水溜まりに穴だらけになった身体が倒れ込む。

「なっ────がッ!?」

「Shit……!!」

更に1人が、胸から頭に掛けて何十という風穴を穿たれ斃れた。残る兵士達も進路を掃射に遮られ、慣性に逆らった無理な姿勢での停止を強いられる。

『─────ガァアッ!!!!』

「…畜しょ」

生まれた一瞬の隙、それが致命的だった。

苦痛を堪え、なんとか体勢を立て直したイ級が咆哮と共に砲弾を吐き出す。残りほんの10Mもない距離まで肉薄していた突撃隊は、ソレが仇となり、回避も防御も許されない。

肉の一片も悪態の一つすらこの世に残すことを許されず、彼らは一瞬でその場から掻き消された。

「上空に敵機!また【Ball】だクソッタレ!!」

(;ФωФ)「来るぞ、散開せよ!!」

『『『────!!!』』』

オオカミの群れを仕留めた、球状に白色という奇天烈な形状をした忌々しい鷹共が空を飛ぶ。零式艦上戦闘機の「栄」に非常によく似ているとされるエンジン音を鳴き声の代わりに空へ響かせつつ、20機ほどの【Ball】からなる編隊は今度は最初のイ級を包囲している我が輩たちへと突撃してきた。

《ロマさん、申し訳ありません!其方に敵の航空隊が……!》

(;ФωФ)「っ、たった今会敵したばかりである!」

機銃掃射を横っ飛びで躱したところに、青葉からの通信が入る。真っ先に謝罪の言葉が飛んできたが、【Ball】の機動力を考えれば敵の援護砲撃も飛んでくる中で乱戦の真っ最中である彼女が食い止められた可能性はほぼない。

久し振りに、“悔しさ”という感情がわいて出る。恐らくあのホ級2隻の後退は、この空襲を我が輩たちに確実に差し向けるために青葉をあえてより深い位置まで踏み込ませるための餌。

裏をかかれたワケだ、深海の化け物共如きに、我が輩が。


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