ある門番たちの日常のようです
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226: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/09/06(水) 23:16:20.81 ID:WGfcJS2B0
( ̄⊥ ̄)「戦況が絶望的だった頃は、娯楽品やら嗜好品が殆ど市場に出回らなかったのはあんたらも知ってるだろ?

ロシアじゃ酒の類いの流通量がその時の名残で今でもまだまだ少なくてね。

マシにはなったけど値段が高くて、例え軍人でもおいそれと買えるもんじゃないんだ」

(,,゚Д゚)

( ̄⊥ ̄)「一応中国産の酒が最近安値で入ってくるようになった……が、中国で実際に飲まれている紹興酒とかの本場物ならいざ知らずパチモンは不味くて飲めん。中国産водкаなんてここにいる面々は臭いでもうダメだったよ」

「あれは本当にводкаをバカにしているよ。私たちにとっては文字通り水も同然なのに」

(,,゚Д゚)

「だから私達で、ロシア人の魂であるводкаをもう一度好きなだけ飲むために自分たちで造ろうと思ったのさ。その夢の第一歩が、ここの地下室だよ」

( ̄⊥ ̄)「ムルマンスク市民もあんな安物のводкаもどきで満足できるわけがないからな、私達の試みはまさにこの街を救うための………どうした?少尉」

(,,゚Д゚)「いや、なんでも」

努めて感情を殺し、平坦な声で応える。胃と頭痛がこれ以上無いほど痛み始め、目の前にチカチカと星が飛んだ。

「………なぁギコさン、この人ら助けたの間違いなンじゃ」

(,,゚Д゚)「言うな」

後ろから江風に思っていたことと全く同じ内容の台詞を言われ掛け、遮って黙らせる。

( ̄⊥ ̄)「?」

ムルマンスク鎮守府提督、もとい密造酒製造組織頭目・ファルロ=ボヤンリツェフは、動揺する俺を心底何が悪いのか解らないという様子で首を傾げていた。


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