170: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/08/31(木) 15:29:16.66 ID:PIXFVoZp0
“艦娘”は、自身が本来の軍艦として活躍していた頃の名残なのか古い───具体的に言えば1930〜50年代頃に各国で主流だった造形の建物に強い関心を示す傾向がある。特に主だった活動拠点になる鎮守府や艦娘寮ではそれが顕著で、艦娘達のストレスを緩和するためにこの二つは各国ともあえて(規模が許す限りだが)外観に関してはこの年代を元にする場合が多い。
これは余談だが、例えば横須賀司令府に努める海自の艦娘達は旧江田島海軍兵学校並びに寮を忠実に再現した艦娘寮に寝泊まりしており、日本国が保有する艦娘の間ではここに配属されることが一種のステータスとなる。
ロシア海軍の“鎮守府”もまた、それらの例に漏れなかった。見えてきた門もその向こう側に垣間見える建物も、「えっ?何、教会?サンクトペテルブルク?」と一瞬身構えてしまうほど(古くさく)荘厳な佇まいをしていた。
ただし、古いのはあくまでも見た目や基本的な内装。艦娘とは最新の軍事技術の塊であり、深海棲艦に対する対抗策として以上に外交のカードとして全ての国が喉から手が出るほど欲する歩く最重要機密事項とも言える。
だからどの国にある鎮守府も、当然セキュリティは21世紀の最新技術の詰め合わせだ。
《─────全員伏せろ!!!》
(,,;゚Д゚)「うぉっ!!」
門が見えた瞬間、トラックの運転手が叫ぶ。門柱の中程から顔を出した自動機銃が2門火を噴き、弾丸が前を走っていた俺達のトラックに襲いかかる。
《RPG!!》
(,,;゚Д゚)「お約束かクソがっ!!」
弾幕で動きが鈍った車両に、両脇に立つ監視塔からロケット弾が飛来。ドリフトしながら横向きで停車したトラックの荷台から、俺達は一斉に飛び降りる。
「……っ、ああもう砂が服に入った!」
RPG-7は世界中のゲリラ御用達のお手軽携行砲だが、命中精度は笑えないほど低い。螺旋軌道を描いて着弾した砲弾はどちらも至近弾ではあったがトラックに直撃はせず、降りかかってきた砂利に2番艦が愚痴をこぼすだけの結果に終わった。
(#゚∋゚)「Go go go!!」
30M程後方で、Ostrich達が乗る二台目も停車。飛び降りた部隊はそのまま門や監視塔、塀上に向かって応射しつつ俺達の元まで前進してくる。
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