158: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/08/30(水) 23:33:49.19 ID:LyWJyuTv0
深海棲艦たちはその“憎悪”と高い戦闘能力故、とにかく私達人類を1人でも多く殺害する傾向がヒト型・非ヒト型を問わず強い。例外は奴等にとって唯一の深刻な脅威となる艦娘と交戦するときで、喩え駆逐艦娘単艦であっても奴等はあらゆる戦力を尽くして艦娘を“撃沈”しようとする。
眼前の前段艦隊も、それは同じだった。
知能の高いヒト型による指示があり、しかも私達の動きはきっと見えていたはず。にもかかわらず、前段艦隊は引き続き青葉ちゃんたちとの交戦に全戦力を注いだ。
或いは、天敵である艦娘の皆が格闘戦や近接装備を用いた「白兵戦」を仕掛けてきたことへの動揺もあったのだろう。殲滅対象でも戦力としては基本的に取るに足らない存在である私達に注意を向ける余裕が、奴等に残っていなかったとしても不思議ではない。
或いはヒト型種のどれか一隻でも冷静な思考を保っていたなら、その光景に違和感を持つことができたかも知れない。
(#ФωФ)「……総員、着剣!!」
────“取るに足らない存在”の私達が、碌な重火器も所持していないのに乱戦の只中へ突撃してくることに対する、違和感を。
『………ァア?』
(#ФωФ)「ぬんっ!!」
前段艦隊の内一隻が、駆逐ハ級がようやっと私達の方を向いたのは、十分に此方が肉薄しきってから。
事態を飲み込めていないのか棒立ちしているその個体との距離を一気に詰め、先陣を切ったロマさんが勢いよく右腕を振るう。
『────ッッギィアアアアアアアアアッ!!!!?』
ロマさんの“刃”に貫かれ、ハ級の口からおぞましい悲鳴が飛び出した。
484Res/548.20 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20