ある門番たちの日常のようです
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154: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/08/30(水) 23:05:21.16 ID:LyWJyuTv0
《砲撃、来ます!!!》

誰かが叫び、暗い空を幾つもの閃光が駆け抜ける。古めかしい造形の家が多いムルマンスクに弧を描いて降り注いだ砲弾の雨は、人間の歴史など知ったこっちゃないとばかりに容赦なく吹き飛ばしていった。

《シュミッタ通りに砲撃多数着弾、艦隊に損害無しも建造物倒壊多数!》

《ブイン基地艦隊神通より【Caesar】、至近弾多数を確認!護衛陸戦隊に負傷者数名!》

《山城、被弾小破しました………不幸だわ…………》

《ブルネイ第2艦隊、五月雨が被弾小破。損害軽微だが比叡も被弾した!》

交わされる無線から窺える、状況の厳しさ。随一の練度を誇る“海軍”所属の艦娘の皆でも損傷を免れぬほどの、深海棲艦による激烈な攻勢。

('、`*川《統合管制機より全艦隊・全陸戦隊に伝達。敵第三波艦隊、射程圏到達に付き全艦が攻撃を開始!》

《ロシア連邦軍より入電、ベロカメンカに新たに敵艦隊の上陸を確認!空母多数を保有、敵艦載機の出所は恐らくここです!》

《コラ湾封鎖部隊、敵艦隊と交戦中。損害未だ軽微も弾薬が欠乏しつつあるとのことです》

《ロシア軍の増援部隊、各所で深海棲艦側の艦載機による妨害に遭い進軍が遅滞しています》

崩れた家が燃え盛り、夜陰の街並みをオレンジの明かりで照らし出す。深海棲艦たちが上げる、あの鉄の板を力一杯摺り合わせているような特徴的な鳴き声が無数の砲声と共に夜気を揺るがした。

凄絶だけど、私達はそれこそ数え切れないほど目にしてきた光景。今更感じることは何も無いはずなのに、それでも、私の身体は芯から震える。

::(* ー )::「ッ、ハァ………!」

歓喜に悶える身体を押さえながら、私は小さく吐息を漏らす。

嗚呼────本当に、この有様は何度見ても美しい。


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