ある門番たちの日常のようです
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147: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/08/24(木) 17:27:09.51 ID:yARe+3oQO
それでも、日本とアメリカが主導した世界規模での反攻作戦を経て深海棲艦は殆どの領海から駆逐され、近海なら学園艦が護衛無しで航行できる程度まで奴等の脅威は低下した。“海軍”も一応残ってはいたけれど、ここ三年は稀に深海棲艦の大きな群れが見付かったときに駆り出されるぐらいで出撃頻度は激減した。……一部幽霊騒ぎだのなんだので、深海棲艦とは無関係のところで忙しかった“海軍”所属鎮守府もあるようだけど。

退屈で喜ばしいことに、“海軍”の必要性は少しずつ、確実に減っていっていた。

一ヶ月前、【リスボン沖事変】が起こるまでは。

《【Ghost】摩耶より【Caesar】、艦娘部隊の投入が打ち止めってのはマジか!?》

( ФωФ)「こんなところで嘘をついて我が輩たちになんの益がある。これがムルマンスに投入可能な艦娘戦力の最大値である!」

《クソがっ!!!》

摩耶ちゃんの叫び声を最後に無線が途切れる。

別に彼女がやられたわけではない。その証拠に、間を置かず前方で凄まじい量の対空砲火が空にばらまかれ出した。

恐らく、摩耶ちゃんの八つ当たりによるものだろう。

(*゚ー゚)「キツいですね」

( ФωФ)「ここだけじゃなくて世界中がな。見ようによっては六年前より深刻な事態と言えなくも無い」

まぁ、六年前はどの国も基本的には水際で敵の浸透を押し返していたし、陸上に深海棲艦の生産拠点なんてものも造られてはいなかった。

“艦娘”の数は、今や全世界を合計すると4万隻を越えたという。だが、深海棲艦の総戦力は底が見えない。奴等の数も、それを支える生産力も、恐らく人類の何倍も高い。

“有限”と、“限りなく無限に近い有限”の戦い。

物量差なんて言葉じゃ生易しすぎる。例え“善戦しているように見せかける”ことができたとしても、経過が違うだけでどんな筋道であっても結末は決まった戦い。


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