ある門番たちの日常のようです
1- 20
100: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/08/18(金) 23:59:12.58 ID:w0/XbvPLO
「いやぁ、まさか青葉達の鎮守府の天龍さん以外にもこれほど鋭い剣技を持つ方がいらっしゃるとは。この世界は広いですねぇ」

「お宅の天龍と比べてもらえるとは光栄だな。まっ、追いつくのはまだまだ先の話だろうが!」

「其方の叢雲さんは、もしやこの間ウチの司令官がお邪魔した………」

「えぇ、あのノロマス女の騒ぎの時に世話になったからちょっとした恩返しにね………あんたには必要なかった見たいだけ、どっ!!」

たまたま散歩道で会った少女達の挨拶のような朗らかな会話。ただしそれは、この三者による殺戮の中で交わされている。

互いに、特に連携は取っていない。ただそれぞれの武器を振るい、目の前の敵に当てる。

その単純な動作が、しかしながら確実かつ簡単に周囲の敵を絶命させていく。

《此方那智、敵艦隊へ突入する!!》

《加古、白兵艤装展開!突貫開始!!》

《雷、司令官のために頑張るわ!………ムラクモニマケナイムラクモニマケナイムラクモニマケナイ》

青葉達の戦いぶりにあてられたのだろうか。無線機から次々と“名乗り”が聞こえ、艤装を構えた艦娘達が敵陣へと斬り込んでいく。

(*゚ー゚)「なんか戦国時代の侍が名乗りを上げてるみたいですね」

( ФωФ)「言い得て妙だな」

確かに、それはなかなか時代錯誤な光景に思えた。初めて「鉄砲」という近代の開幕を告げる兵器を手に入れてから数百年、我が輩たち人類は常に「いかに遠くから、リスク無く敵を倒すか」に重点を置き戦争技術を進歩させてきた。銃の射程が伸び、大砲が、戦艦が、空母が生まれ、やがて地球の裏側さえ狙えるミサイルの開発にまでこぎ着けた。

そんな中にあって「進歩」の系譜に組み込まれていた兵器の生まれ変わりである少女達が、槍や刀を模した武器を構えて人類の敵を打ち倒していく。

見ようによっては、何と皮肉な光景だろうか。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
484Res/548.20 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice