【Steins;Gate】選ばれることのなかった世界線のお話
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5:ゼリーマン[saga]
2017/08/05(土) 01:01:36.70 ID:dTkPpPA5O
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と、その話をする前に、ラボメンバーについてはなしておこう。

今このラボにいるのは俺を含め三人。

俺こと鳳凰院凶真。ダルこと橋田至。そして椎名まゆりの三人だ。
ダルは偏屈そうなメガネデブ男だ。日がな1日、だるそうにPCに向かっているオタク青年である。
二次元の嫁を持ちながら三次元メイドに浮気するなど、趣味の方向性に多生難ありだが。萌え関係ならばなんでもいいらしい。
こんななんの取り柄もなさそうな男だが、パソコンやコンピューター関係に関わらせたら右に出るものがいないほどの実力を発揮する。ハードウェアよりソフトウェアの方が得意だとうそぶきつつも、俺のアイデアを実際に形にしてくれる、この未来ガジェット研究所において無くてはならない存在である。
さすが、俺の戦友にして片腕なだけのことはある。

そして二人目、椎名まゆり17歳。泣く子も黙る女子高生。
一応コイツもオタクだ。濃さで言えばダルよりも大幅に劣るが。
この能天気幼馴染みは、未来ガジェット研究所のコス作り担当(ただし女性コス限定)であり、今日もマイペースにキャラコス作りに励んでいる。
なぜ未来ガジェット研究所に、アニメキャラのコス(女性用限定)が必要なのか?
あえて言おう。全然まったくそんなものは必要としていない。
要するにまゆりはラボにとってはまったくの役立たずなわけだ。
けれど俺はそんなまゆりを追い出すつもりなど毛頭なかった。
なにしろ俺が設立した未来ガジェット研究所の門戸を最初に叩いたのは、他ならぬこの子だったからだ。
今でもまゆりが初めてこのラボにやって来た春の日のことは、はっきり覚えている。まゆりは俺にこう言ったのだ。

「まゆしぃはオカリンの人質だから、ここにいようとおもいまーす」

うむ。実に意味不明。
けれど俺にとってはその申し出は救いだった。
"機関"に追われ、孤独だった俺の、壮大な計画に付き合ってくれる、初めての仲間が現れたのだから。
俺はその恩を忘れない。
まゆりは役立たずでもいい。ただここにいるだけでノープロブレムなのだ。


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