【Steins;Gate】選ばれることのなかった世界線のお話
1- 20
10:ゼリーマン[saga]
2017/08/13(日) 02:18:51.78 ID:wof+veIAO
「消えた……」

それは一瞬のことだった。
つい先程まで、無尽蔵に溢れ出てくるのではないかと思うほどの人の群れが行き交っていたラジ館前の交差点から、瞬きすら許さぬほどの一瞬の内にすべての人間が忽然と消えたのだ。
いや、それだけならまだよかった。
だんだんと落ち着きを取り戻し(とは言っても、依然心臓はばくばくと鳴り続け、とてもじゃないが落ち着いているとは言いがたいものだったが)辺りをよく見回してみると、ラジ館付近だけでなく、俺の視認できるすべての領域(エリア)から人の気配が消えていた。
消えたのは人の"姿"ではなく"気配"だ。これがどう言うことかわかるか?
─簡単な話、通りを歩いていた人たちだけでなく、店内に居た人や店員なんかもすべて消え去ったということだ。

「どっ……どういう……」

ことだ。とそのあとに続くはずの言葉は俺の口から零れることはなかった。
ただただ混乱する。人が消え、後に残った無人の秋葉原がまるで俺を責め立てるかのように耳に痛い静寂を響かせてくる。
いや、実際には静寂な訳ではないのだ。とある有名な電気屋から流れる特徴的なメロディーは人が消えたのもおかまいなしにいつも通り流れている。
消えたのは人だけで、町の様相は何一つ変わらなかった。それがまた寒気を覚えるほど不気味だったのだが。

「オカリンー、大丈夫〜?」


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
12Res/10.18 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice