19: ◆y7//w4A.QY[saga]
2017/08/05(土) 11:32:43.68 ID:vYgOB4Up0
長門「ここに乾燥ワカメがある」
キョン「どうするつもりだ。さっきから気になってはいたが卓に水の入ってるボールが準備しているのはまさか……」
長門「水に浸けて、本来の姿に戻すため」
キョン「おーけー、わかった。ハゲをとことんいじめたいようだな。考えを整理する時間をもらっていいか」
長門「なぜ? あなたは見ているだけでいい」
キョン「パニックになったら正常な判断をくだせないからだ。混乱する前に考えをまとめることは、人生のあらゆる岐路で有意義だ」
長門「わかった」
キョン「まず、長門。ひとつ確認をしたい。その、有機なんちゃらインターとかいうのは、冗談じゃないんだよな?」
長門「……」コクリ
キョン「はぁ……。冗談と言ってくれるのを期待した俺が浅はかだったようだ。それで、佐々木とハルヒが対をなす存在だと言ったな。あいつらに面識はないはずだろ」
長門「そういう意味ではない。例えるなら静と動。対極にある立ち位置にいるということ。でも佐々木は我慢しているだけ」
キョン「我慢?」
長門「涼宮ハルヒと佐々木に共通項目は多い。人は発する言葉によって印象がガラリと違って見える。あなたが抱いている私に対する心理がそう」
キョン「えぇと、つまり、長門がこんなに喋るとは思わなかったとかか」
長門「選ぶ言葉によっても心象は変化する。それぞれ抱いているイメージが根底にあるから。話を戻す」
キョン「ああ」
長門「涼宮ハルヒも、佐々木も年相応の年代の女子。恋愛に興味がない、と言い切ったとしても次の瞬間にはころりと変わる」
キョン「とりあえず、続けてくれ」
長門「あなたは、身をもって体験しているはず。このやりとりは二回目」チラ
キョン「……? 二回目?」
長門「今は七月の半ば。もうすぐ夏休みにはいる」
キョン「そうだが、それが……」
長門「改変の痕はいたるところに表れてる。例えば、あなたの涼宮ハルヒに対する呼称。あなたはいつからハルヒと呼ぶようになったか、覚えてる?」
キョン「いつからって、そりゃあ……――あれ? いつからだ」
長門「……」スッ
キョン「これは?」
長門「記憶を改変される前に私に託したメッセージ。あなたが家にきたら読ませるように頼まれた」
『ハルヒと佐々木を引き合わせるな』
キョン「たしかに、俺の筆跡に似ているようにも見えるが。しかし、だからと言って」
長門「事態は私達があらかじめ想定していた以上に深刻。あなたの毛髪にとっても」
キョン「緊張感を無くしてくれてありがとうよ」
長門「話は以上」
キョン「どうやら、俺は思った以上に混乱しちまってるらしい。落ち着こうとしても無理な相談みたいだな」
長門「まずは、あなたに現状を理解してもらう」
63Res/94.72 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20