44:名無しNIPPER[saga]
2017/09/03(日) 16:31:22.34 ID:EqAKz5gvO
小さい頃から、お父さんがコロコロ変わった。
優しい人もいれば、ささいなことですぐに怒って、怖い人もいた。
良い人よって、お母さんは誰に対しても言った。
でも、みんないない。
お母さんを置いて、みんないなくなった。
どこが良い人だったの。
お母さんも悪いけど、どうして見るからに騙され易そうなお母さんに、そんな酷い事するの。
みすずだって、みすずだってお母さんを利用してるだけなんじゃ。
私は、世界中の悪い奴から、お母さんを守りたいだけなの。
今までもこれからも、やりたいことは変わらないの。
「みすずー、起きてー」
お母さんがみすずを揺り動かす。
ゆっくりと目を開けて、きょろきょろと私たちを見回した。
「あ、お帰りなさい。かほ」
「ただいま。はい、これ」
参考書を目の前に差しだした。
どう使うかはよく知らない。
みすずはじっと見つめて、受け取って、頬を緩ませた。
「ありがとう」
「あと、これ」
手の平サイズの小鉢を、机の上に置いた。
53Res/31.71 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20