蜂はお花のなかに(オリジナル百合)
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43:名無しNIPPER[saga]
2017/09/03(日) 14:06:41.89 ID:uPmb6hplO
私のお父さんは、どっかの県議会議員だって言ってた。
本当か分からないし、会った事あるらしいけど、覚えてもいない。
でも、イケメンだったらしい。
それは嘘じゃないと思う。
月末になると、いっつもぎりぎり生活できるくらいのお金が通帳には入っていて。
たぶん、お父さんが入れてるんだと思う。

「ねえねえ、かほ。みすずのこと大切にしてあげてね」

「……」

「ね」

「うん」

「お母さん仕事で、明日からちょっと1週間くらい出かけるから、お願いよ」

「無理しないでね」

「こう見えて、体力あるからね!」

力こぶをつくる。
顔に似合わない。

「かほはさ、卒業したら何かしたいことある?」

「なに、急に」

「どうするのかなって。だって、かほはもう大人だもん、働くのも勉強するのも自分で決めれるよ」

大人って、なんだろう。
14歳の私は、大人なんだろうか。

「みすずのことをどうするかも、かほは自分で決めれるの」

私は、みすずはお母さんの娘であって、私には何の関係もないものだと思おうとしていた。
なのに、お母さんはそんな事を言うのだ。
急に、瞼が熱くなって、自分が泣きそうなのだと悟った。
なんで、そんな事言うの。
私は私のことでいっぱいいっぱいなのに、
みすずのことまで考えたくないのに。
でも、突き放せない。突き放しきれない。
みすずのことを認めれば認める程、
お母さんは私だけのお母さんじゃない。


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