14:名無しNIPPER[saga]
2017/08/22(火) 23:50:47.45 ID:l0zXcu67O
いくつかの忠告をまさみにして、ひやひやしながら家に戻った。
母の姿は無く、すでに家の中に入ったようだ。
自業自得なのだけれど、入りにくい。
『パーティー』の準備をしないわけにもいかないし。
怒られるのを覚悟で、玄関に向かった。
「おかえりなさい」
小さく笑いながら、みすずが出迎えてくれた。
私は小声で、あ、うん、と返す。
初対面の時はそうでもなかったのに、同じ家で暮らすという実感が沸いてきた今、なんだか話しずらい。
他人じゃないんだ。
自分のテリトリーにいる。
居心地が良いものじゃないのは、当たり前なのかな。
救いなのは、私も朝ドラのヒロインの顔は嫌いじゃなかったので、それだけは良かったかも。
みすずが手を伸ばしていたので、私は首を傾げた。
「かばん、持つよ」
まるでサラリーマンのお父さんにする仕草。
「え、いいよ」
私は足早に二階の自室へ向かう。
背後に視線を感じたのが、ちょっと気まずかったので立ち止まった。
「あの、同い年だしさ、気とか遣うとしんどいと思うし……」
と振り返り、苦笑い気味にみすずに言った。
「ごめんね、気をつけるね」
彼女は素直に頷いていた。
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