千歌「──あの日の誕生日。」
1- 20
15: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2017/07/31(月) 23:46:47.39 ID:qA4i4zbEo


    *    *    *





朝起きたらすぐに家を出て、旅館の前の砂浜で待っていた。

果南ちゃんが来たら、どんな立派なケーキのお城を作ろうかなって、砂浜に棒で絵を描いてた。

太陽も高くなってきて、千歌のお城計画はもはやお城を通り越して、すごい高さの塔になっていた。

直に太陽が一番高いところに来て、お腹も空いてきたから、一度家に戻って、お母さんにおにぎりを作ってもらった。

砂浜で一人座りながらおにぎりを食べた。

だんだん日が傾いてきた、塔には更にいろんな装飾が付けられてて……

というか、角とか手とか足とか付いてて、もうなんかよくわからないものになってた。

私は待っていた、ずーっと果南ちゃんのことを。

そして……日が沈んだ。

それくらいの時間になってやっと、果南ちゃんがやってきた。


果南「千歌!」


果南ちゃんが声を掛けてきた。


果南「ごめん、千歌……抜け出すタイミングがなくって」

千歌「……うそつき」


私の口からはそんな言葉が零れ落ちた。


果南「……ご、ごめん」

千歌「……チカずっと待ってたのに」

果南「……ごめん」

千歌「おっきなお城……作れると思ったのに」

果南「……」

千歌「果南ちゃんのうそつき……」


言葉と共に涙が溢れてきた。




<<前のレス[*]次のレス[#]>>
31Res/35.06 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice