【コンマ安価スレ】「黒幕倒して帰ったけど、ちょっと残ってみようと思う」
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6: ◆/9yNbjaibo[sage]
2017/07/30(日) 23:21:13.00 ID:c1y9Mpvz0
姫「・・・フフ。貴方、焦ると、すぐ落ち着きをなくしますね。これから名を残す勇者たるもの、それではいけませんわ」

勇者「で、ですが!」

姫「・・・実は貴方より私の方が早く意識を戻していたね。ずっと外を見ていたけど・・・。何もくる気配はなかったわ。だから、別に急がなくてもいいのよ?」

勇者「そ、そうでしたか!」

とりあえずは、よかった、のか?

姫「・・・貴方も心配でしょう。私も先程から、「信号」を送っています。おそらく、まもなく使いがくるはずです」


俺がおろおろしている間に、姫は王族の血と先祖からの祝福を受けたもののみが使える特殊な魔法のひとつである、遠方との通信を行っていたようだ。


姫「世界を救ったお方ですもの。平民と王族という前に、英雄とただの人、ですわ」

勇者「い、いえ!もうその役目も終わった身で・・・このように力もない平民に戻りました。そんなことは・・・」

姫「勇者様」


姫がしゃがみこみ、俺の手をとる。


姫「・・・私を取り戻してくれて、ありがとう」


今にも泣きそうな目だった。薄く赤い目には涙がたまっており、すぐにうつむいてしまい長い黒い髪が顔を隠す。


勇者「姫・・・様・・・」


「姫様!勇者様!」


俺が何か話しかけようとしたとき、聞き覚えのある声がした。とても久しく聞いていない声のように思えた。


勇者「魔法使い!」


白のとんがり帽子とローブ、さらに短いピンクのサイドテールを揺らしながら近付いてくる。


魔法使い「申し訳ございません!お迎えにあがるのが少々遅くなりました!お怪我はありませんか!?」


姫「落ち着いて下さい。大丈夫ですよ」


いつのまにか立ち上がっていた姫様。涙をながそうとしてた影さえ見えない。


魔法使い「・・・姫様。勇者様。よくお帰りになられました。大変うれしくおもいます」


魔法使いが、涙ぐみながら微笑む。

印象的なのは声だった。

戦時中は常に張り詰めていたあの時の声色ではなく、以前の上品で丁寧な佇まいとおっとりとした声としゃべり方だった。

昔の仲間のそんな声をきいて、改めてあの長く続いた戦いが終わったと実感が湧いてきたからかもしれない。


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