9: ◆/9yNbjaibo
2017/07/29(土) 19:05:51.21 ID:zlFpgG6Z0
姫「・・・フフ。貴方、本当に焦ると、すぐ地がでてしまいますね。これから名を残す勇者たるもの、それではいけませんわ」
あ。
姫「・・・私も先程から、「信号」を送っています。おそらく、まもなく使いがくるはずです。魔姫様にもらった魔翌力が有り余って仕方が無かったので」
俺がおろおろしている間に、姫は王族の血と先祖からの祝福を受けたもののみが使える特殊な魔法のひとつである、遠方との通信を行っていたようだ。
さすが、あの堕神相手に窮地に陥ってなお啖呵を切った精神力。
「姫様!勇者様!」
・・・まもなく、というより、最初からそこにいたかと思うほど素早い迎えだった。
そして、彼女も、聞き覚えのある声だった。
勇者「魔法使い!」
魔法使い「申し訳ございません!お迎えにあがるのが少々遅くなりました!お怪我はありませんか!?」
姫「落ち着いて下さい。大丈夫ですよ」
魔法使い「・・・姫様。勇者様。よくお帰りになられました。大変うれしくおもいます」
魔法使いが、涙ぐむ。
そして、戦時中は常に張り詰めていたあの時の声色ではなく、以前の上品で丁寧な佇まいとおっとりとした声としゃべり方を聞くと、本当にあの長く続いた戦いが終わったと実感が湧いてきた。
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