7: ◆/9yNbjaibo
2017/07/29(土) 18:46:53.47 ID:zlFpgG6Z0
そして今、いくつかの死闘の末隠居することになった元魔王の力を受け継いだ魔姫の力で、俺と姫は
人間界と魔界をつなぐほこらの中にとばされた。
勇者「・・・帰って、これた・・・のかな?」
あたりを見回す。これは俺が魔界に来る前にみた光景だ。
人間界に戻れた!
勇者「・・・ははは・・・。やった・・・」
勇者「やったぞおお!」
姫「・・・勇者様、あまり声を荒げると、魔物がよってきてしまいます・・・」
勇者「あ・・・。ひ、姫様、申し訳ございません!」
後ろから聞こえた声に対し、直立、片足軸に180度回れ右、膝をつく。・・・いくら疲れても、何故かスムーズに素早い動きができる、体に馴染む動作。
姫「いえ、お気持ちは分かります。私も、気が緩んで今にも倒れてしまいそうですから」
勇者「だ、大丈夫ですか!?」
姫「ええ。大丈夫ですわ」ニコ
ちら、と顔色を伺うと、姫の顔は消耗しきっており、すぐにでも倒れそうな感じである。が、あのおぞましい環境からの解放感と安堵からか、微笑んでいる。
さぞ、向こうで堕神のせいで、口にするのも思い出すのも嫌になるほどの思いをされたのか。
・・・・・・容姿は15という年齢にして、似合わない素晴らしい発達をとげている。
幼さを残しつつ絶世の美女である母の気圧される程の美貌の片鱗を見せつつあるその姿。
心身ともに疲れ果てている姿でも絵になってしまうのが、姫様らしい。とても不謹慎だが、そう思ってしまう程の気品もあるのだろうか。
柄にもなく変なことを考えてしまう。こう、戦いの中で抑圧された思いが弾け出してきたのか。
不敬だ、すぐ思考を切り替えなければ・・・!
勇者「た、ただいま転移の魔法を・・・」
姫「・・・貴方は、見てる限り、私なんかよりも、精神的なものではもっと疲弊されてます。今まともに魔法は使用できないでしょう」
ああ、この状況でも、俺のことを案じてくれるなんて、なんてお方だ・・・!
姫「・・・それに、もうちょっとお話していても、バチはあたりませんよね」ボソリ
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