食蜂「さよならが迎えに来ること」
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74:名無しNIPPER[saga]
2017/07/27(木) 23:25:41.47 ID:aDbJZUbB0



不意に吹いた夜風が、彼女の背後にあった風車たちをカラカラと回した。それから数秒の間、空白の世界が2人を包んだ。



「あの、えっと……え?」



上条は息を止めた。目の前の彼女の瞳から、大粒の涙が溢れていた。取り乱すでも顔を歪めるでもなく、ただ自然に身を任せて流れ出したそれは、静かに頬を垂れていく。



「おい大丈夫か?! なんかあったのか? あのさ、美琴が向こうで花火を一緒に観たいって言ってんだけど、食蜂さん? アンタで間違いないよな?」



彼女は涙を拭い、華やかに笑う。





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