23:名無しNIPPER[saga]
2017/07/27(木) 20:28:29.94 ID:wKOBUZhB0
「じーっ」
すると、隠れてるつもりだかなんだか知らんが、美波がこっちをじーっと言いながら見ていた。
(なんだあれ?)
24:名無しNIPPER[saga]
2017/07/27(木) 20:28:56.47 ID:wKOBUZhB0
「むー!」
無視していたら次第に頬を膨らませる美波。もうちょっとしたら面白くなりそうだなと、もう少し無視を続ける。
「にー、絵本!」
25:名無しNIPPER[saga]
2017/07/27(木) 20:29:26.66 ID:wKOBUZhB0
「さ、こっちおいで」
湊を胡坐をかいた足の上に収め、抱えるように絵本を開く。
「もうーメーっ!」
26:名無しNIPPER[saga]
2017/07/27(木) 20:55:47.78 ID:wKOBUZhB0
確かにこの頃は学校の友達と遊ぶ時間と湊に構う時間が増え、必然的に美波を構うことが少なくなっていた。しかしまさかそれで寂しい思いをさせているなんて思いもしなかった。
「そうか、ごめんな美波」
「私は、お姉ちゃんだから、グスッ、我慢したけどグスッ、でも……でもぉ」
27:名無しNIPPER[saga]
2017/07/27(木) 21:18:12.95 ID:wKOBUZhB0
――
―――
――――
「きゃー! 美波ちゃんきゃわいい!!」
28:名無しNIPPER[saga]
2017/07/27(木) 21:25:14.86 ID:wKOBUZhB0
――――
―――
――
「じゃあ、美波。よろしくね」
29:名無しNIPPER[saga]
2017/07/27(木) 21:35:44.15 ID:wKOBUZhB0
少しすると流石幼児の足。あんまり進んでいなかったおかげですぐに追いつけた。分かれ道でどっちに行くか迷っているようだ。
「美波、右! ここは右だ!」
流石に伝えるわけにもいかず、もどかしい思いをして見守る。
30:名無しNIPPER[saga]
2017/07/27(木) 21:49:06.17 ID:wKOBUZhB0
「うーん、うーん」
道端でわかりやすく困っているおばあちゃんがいた。当然良い子の美波は声をかける。
「おばあちゃん、どうしたんですか?」
31:名無しNIPPER[saga]
2017/07/27(木) 21:49:49.36 ID:wKOBUZhB0
「ええっとねえ。村上さん家ってどこかわかるかねえ」
「村上さん……」
くそ! 村上姓はありがちすぎて絞れねえ! まさかあの村上さんか?
32:名無しNIPPER[saga]
2017/07/27(木) 22:05:34.64 ID:wKOBUZhB0
「では、美波はおつかいの途中なので!」
「ありがとねお嬢ちゃん」
おばあちゃんと別れてまた歩を進める美波。その後は特に障害もなくお店に到着した。
33:名無しNIPPER[saga]
2017/07/27(木) 22:06:00.11 ID:wKOBUZhB0
「えっと……あれ?」
ガサゴソと買い物袋を探る美波。次第に涙目になってくる。
「う、うぇ、うぇ、メモが、ない……無くしちゃっだ」
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