ことり「前略 木漏れ日の貴女へ」
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56:名無しNIPPER[saga]
2017/07/21(金) 19:40:37.93 ID:+NyjqKO10


ことり「なつのおわりは、せかいのおわり。ですが、せかいのおわりは、あたらしいせかいのはじまりなのです」

ことり「あたらしい、せかい……」

ことり「あなたはりゅうがくにいかなかった。けれど、きょうはやはり、さいしゅっぱつのひです」

ことり「それは、みゅーずの?」

ことり「ええ。それと、あなたのです。ことり、あなたはりゅうがくをやめましたが、きっとしょうらい、またどこかにいくひがくるのでしょう」

ことり「……そうかも」

ことり「だから、わたしはやっぱり、これをわたそうとおもいます」

ことり「わあ! ありがとう! これ、しおり?」

ことり「ええ。わすれなぐさです。ことりがどこにいっても、わたしのことをわすれないように。あなたのなまえのとおり、うつくしいそらのいろです」


ことり「ことり、あなたは、なにもあきらめてなんか、いません。いつでも、またおおぞらにとんでいける。そのときは、わたしだってほのかだって、あなたのせなかをおしてあげます」

ことり「うみちゃん……」

ことり「ふふっ、すこしかっこうつけすぎですかね」

ことり「ううん、うれしい。それに、このばしょも……」

ことり「あなたらしいばしょだとおもって、えらびました。ことりは、こもれびのようなひとです。ゆらゆら、あたたかくわたしたちをてらして、やさしく、よりそってくれる。ずっといっしょにいたいと、おもわせてくれる」

ことり「……うみちゃん」

ことり「ですが、これでだいじょうぶ。そのしおりがあれば、わたしたちはずっといっしょです。わたしはいつでも、あなたをまっていますから」

ことり「うみちゃん、わたし、わたしね……!」



ことり「うみちゃんのこと、だいすきだよ」




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