51:名無しNIPPER[saga]
2017/07/21(金) 19:35:30.20 ID:+NyjqKO10
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部屋に入ると、彼女はびくりと身体を震わせて、えり、と私の名前を呼んだ。
綺麗だった髪は、ぼさぼさに伸び切っていた。
部屋は、思いのほか片付いていた。
扉の脇に、届いたばかりの饅頭とチーズケーキがあった。
机の上に、くしゃくしゃに丸まった便箋があった。
その隣に、勿忘草の栞があった。
絵里「髪、伸びたわね」
私の言葉に、彼女は視線を落としたまま表情を和らげた。
「まっていました、えり。たすけにきてくれたんですね」
絵里「……そうなると、いいのだけれど」
「え……?」
絵里「真姫が聞いたら、怒るかしら」
「えり、なにを……」
絵里「貴女が会いたいと言ったから。手紙で助けてと言ったから」
絵里「私は貴女の目を覚ましに来たのよ」
絵里「ことり」
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